相続人と連絡が取れない

相続人を調査したところ、相続人の行方が分からず、遺産分割協議ができないことがあります。

相続人の行方が分からないときは、家庭裁判所に、不在者財産管理人の選任申立てや、失踪宣告の申立てができます。

なお、不在者財産管理人を選任して遺産分割協議をするときは、さらに不在者財産管理人の権限外行為許可申立てが必要となります。

不在者財産管理人を利用した相続手続

相続人行方不明の相続財産管理人

不在者財産管理人の効果

不在者財産管理人が選任されると、不在者財産管理人が行方不明の相続人に代わって財産を管理することになります。

不在者財産管理人は財産の管理行為しかできないため、遺産分割協議をするときは、あわせて不在者財産管理人の権限外行為許可申立てを行います。

不在者財産管理人の選任申立て

相続人の行方が分からないときは、家庭裁判所に不在者財産管理人を決定するよう、選任申立てをすることができます。

申立てをする場合は、亡くなった方の相続関係を調査したうえで、相続人の行方を調査した資料も提出しなければなりません。

相続財産に十分な預金や現金がない場合は、申立時に、数十万から100万円程度の予納金を裁判所から求められることがありますので、事前に確認をしておく必要があります。

不在者財産管理人の権限外行為許可申立て

不在者財産管理人が選ばれただけでは、遺産分割協議ができません。

不在者財産管理人は、管理行為しかできないため、遺産分割協議をするときは、あわせて不在者財産管理人の権限外行為許可申立てをする必要があります。

なお、行方の分からない相続人が不利となる遺産分割協議案は、裁判所から許可されないことがあります。

不在者財産管理人の決定

申立時は、相続財産管理人の候補者として、利害関係のない親族や、ふさわしい人を候補者として記載することができます。

相続財産管理人の選任申立てがされると、家庭裁判所は、内容を審理し、相続財産管理人を選任します。一般的には、相続手続や法律知識があるその地域の弁護士や司法書士、または利害関係のない親族などが選ばれます。

選任前には、就任の意思確認通知があるため、通知が来た親族は選任前に断ることもできます。

不在者財産管理人の遺産分割協議と財産管理

不在者財産管理人は、遺産分割協議の権限外許可がある場合は遺産分割協議に参加できます。協議がまとまったときは、遺産分割協議内容に従った相続手続きを進めることができます。

不在者財産管理人は、遺産分割協議が終わった後も、引き続き、不在者の財産を管理していかなければなりません。

不在者財産管理人の業務は、不在者が見つかるか、不在者の死亡が明らかになるか、失踪宣告で死亡が確定するか、管理する財産がなくなるまで、長期間管理していくことになります。

失踪宣告を利用した相続手続

相続人行方不明の失踪宣告

失踪宣告の効果

失踪宣告が確定すると、不在者はすでに死亡したとみなされるため、相続手続きをすすめることができます。

不在者について相続人がいるときは、不在者が死亡しているとみなされた日付と、被相続人の死亡日の日付の前後により、代襲相続や数次相続が生じる場合があります。

失踪宣告の申立て

不在者が失踪から7年間を経過しているときは、不在者が死亡しているとみなす失踪宣告の申立てができます。災害から1年を経過したときも失踪宣告の申立てができます。

失踪宣告が申立てられると、裁判所で、不在者の行方について調査が開始します。調査期間は内容によっては数か月になります。

失踪宣告の決定後の届出

裁判所で失踪宣告が認められた場合は、審判書と確定証明書を市区町村役場に提出します。

市区町村役場では、不在者について、死亡とみなされた旨を戸籍謄本に記載し、不在者の死亡がみなされたことになります。

その後は、死亡とみなされた戸籍謄本を取得し、相続手続きを行います。

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